おなかの病気
当院では以下のようなおなかの疾患を診療しています。
胃腸炎、便秘症、下痢症、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、大腸がん、大腸憩室炎、虫垂炎、胆石症、胆嚢炎、膵炎、虚血性腸炎
腹痛、下痢、便秘、腹部膨満感、下血、吐血、嘔吐などの気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
便秘症
便秘症は若い女性に多く見られますが、男女とも加齢に伴い罹患数が増加し、高齢では男女差が消失するとされています。高齢化や生活習慣病の広がりにより、患者さんの数は確実に増えてきており、便秘症診療の重要性は高くなってきております。
以下は性・年齢階級別にみた便秘の有訴者率(自覚症状のある方の比率)です。
出典:EAファーマ株式会社グラフ

便秘症と大腸癌や心疾患、脳卒中などの他疾患との関連も明らかになってきており、今後便秘症診療の重要性はより高くなっていきます。
日本の医学教育においては便秘症は疾患として重要視されてきておらず、専門の教育などもありません。当院は肛門疾患と関連して便秘症を数多く診療しておりガイドラインと多くの経験に基づいた診療を行っております。
便秘症の有無による生存率を比較した調査結果が発表されています。
出典:EAファーマ株式会社グラフ

●主な原因
- ・大腸癌などの腫瘍やお腹の手術後の癒着による器質性便秘
- ・糖尿病や甲状腺機能低下症などの全身疾患による便秘
- ・向精神薬、麻薬、痛み止めなどの薬剤性便秘
- ・消化管運動機能の障害による機能性便秘
下痢
便の水分が過剰になり、1日3回以上軟便または水様便を排泄する状態を指します。
消化管の感染症や異常が原因で起こることが多いです。
下痢が続く場合や症状が重い場合は、医療機関の受診をおすすめします。
●主な原因
- ・感染症
- ・細菌、ウイルス、寄生虫などの感染
- ・消火器の異常
- ・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、過敏性腸症候群
下血
「下血(げけつ)」とは、肛門から血液が排出されることで、消化管からの出血を指します。便に血が混じっている場合もあれば、血だけが排出される場合もあります。下血は、上部消化管(胃や十二指腸など)からの出血を指すことが多いとされています。
●下血の種類
血便
便に赤い血が混じっている状態。大腸や肛門など下部消化管からの出血が多い
タール便(黒色便)
黒色で粘りのある便。上部消化管からの出血で、胃液によって血液の色が変色するため
●主な原因
- ・病気:胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、大腸がん、痔、大腸ポリープ、潰瘍大腸炎、クローン病など
- ・薬:鉄剤、抗菌薬、抗凝固薬、非ステロイド性抗炎症薬など
- ・その他:ストレス、運動不足、食生活など
●症状
- ・便に血が混じっている
- ・黒色便
- ・肛門からの出血
- ・下腹部の痛み
- ・便秘、下痢
●受診の目安
- 下血が続く、または再発する場合
- 腹痛を伴う場合
- 便の色や量に変化がある場合
- 他の症状(発熱、吐き気など)がある場合
●対象となる検査
- 診察をおこない、どの検査を実施するか判断します。
- ・内視鏡(胃カメラ、大腸カメラ)詳しくはこちら
- ・便潜血検査
過敏性腸症候群
大腸や小腸に異常がないにも関わらず、慢性的に腹痛や下痢、便秘などの症状を繰り返す病気です。
●症状
腹痛、腹部膨満感、便秘、下痢
●主な原因
ストレス、不安、抑うつ、恐怖などの心理的要因や自律神経の失調など
●病型
下痢型、便秘型、混合型
●治療
食事と生活習慣のみなおし、薬物投与
●過敏性腸症候群の診断基準
腹痛または腹部不快感が、最近3か月の1か月あたり少なくとも3日以上、かつ以下のいずれか2つ以上を満たす場合
□ 腹痛または腹部の不快感
・繰り返し起こり、排便と関連していることが特徴
□ 排便と関連する症状
- ・排便によって症状が軽快する
- ・排便回数が変化する(便秘や下痢が増減する)
- ・便の形状(外観)が変化する(柔らかくなったり、硬くなったり)
□ 器質的疾患の除外
・大腸癌や潰瘍性大腸炎などの器質的疾患が除外された上で診断されます
胃がん
胃がんとは、胃の粘膜から発生する悪性腫瘍で、初期症状はほとんどないため、早期発見が難しい場合があります。
進行すると、胸焼け、食欲不振、上腹部痛などの症状が現れることがあります。
●症状
初期には症状がほとんどないことが多く、進行するとみぞおちの痛みや食欲不振・吐き気・黒色便・体重減少などが出現することがあります。
●早期発見
定期的な健康診断や胃カメラ検査で早期発見できます。
●治療
胃がんの治療法は手術・内視鏡的切除・化学療法など進行度によって様々な治療があります。

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)
大腸がん
大腸がんは、大腸の壁の粘膜から発生する悪性腫瘍の総称です。症状としては血便、便通異常、腹痛などがあげられますが、初期の段階では無症状の場合も多いです。
●発生原因
生活習慣(高脂肪食、高たんぱく食、喫煙、飲酒)や家族性大腸腺腫症などの遺伝性疾患、炎症性腸疾患などが関連すると考えられています。
また、大腸がんの発生部位はS状結腸や直腸での発生割合が大きくなっています。
●症状
早期には無症状ですが、進行すると血便・便通異常(便秘、下痢、便が細くなるなど)、腹痛や貧血・嘔吐などが現れることがあります。
●対象となる検査
便潜血検査・大腸内視鏡検査・CT検査などが実施されます。
●治療
内視鏡治療、外科手術、化学療法、放射線治療などがあります。

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)

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