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― 腸活シリーズ第3回 ―

「毎日ヨーグルトを食べているのに、お腹の調子が変わらない」

そんなお悩みを持つ方は、意外と多くいらっしゃいます。

ヨーグルトや発酵食品は、腸活の代名詞として広く知られています。
でも実際のところ、どのくらい効果があるのか、なぜ効かないことがあるのか——正直に、分かりやすくお伝えします。


ヨーグルトの菌は、腸に「定着」しない

まず知っておいていただきたい、大切な事実があります。

ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌は、腸に届いたとしても、多くの場合そのまま定着することはありません。

私たちの腸内にはもともと数百種類、数十兆個もの腸内細菌が住んでいます。
このバランスは長年かけて形成されたもので、外から菌を入れたからといって、簡単に入れ替わるものではないのです。

つまり、ヨーグルトを食べて腸内環境が劇的に変わる——というイメージは、少し大げさかもしれません。


では、ヨーグルトは意味がないのか?

そうではありません。

定着はしなくても、腸を通過する間に腸内環境に良い影響を与えることは、さまざまな研究で示されています。

具体的には、

  • 腸内の悪玉菌の増殖を一時的に抑える
  • 腸の粘膜を刺激し、動きを助ける
  • 免疫細胞が集まる腸の環境を整える方向に働く

といった作用が期待できます。

ただし、これらの効果は食べ続けている間だけ維持されるという性質があります。
やめてしまえば、効果も徐々に薄れていきます。


効果を感じやすい人・感じにくい人

同じヨーグルトを食べていても、効果に差が出るのはなぜでしょうか。

効果を感じやすいのは、

  • 食物繊維をしっかり摂れている人(腸内細菌のエサが足りている状態)
  • もともと腸内環境が乱れていた人(改善の余地がある状態)
  • 継続して摂取できている人

一方、効果を感じにくいのは、

  • 食物繊維が不足したままヨーグルトだけを頼りにしている人
  • 便秘や下痢の原因が腸内環境以外にある人
  • 菌の種類が自分の腸に合っていない人

前回のコラムでお伝えしたように、食物繊維が土台、ヨーグルトは補助という順番がとても重要です。
土台なしに補助だけ増やしても、効果は出にくいのです。


どのヨーグルトを選べばいいのか

「どのヨーグルトが一番いいですか?」という質問もよくいただきます。

残念ながら、「これさえ食べれば間違いない」という万能なヨーグルトは存在しません。

腸内細菌のバランスは一人ひとり異なるため、ある菌が合う人もいれば、あまり変化を感じない人もいます。

選ぶときのポイントとしては、

  • 2〜4週間を目安に続けてみて、お腹の調子の変化を観察する
  • 効果を感じなければ、別の菌種のものに変えてみる
  • 砂糖が多く添加されたものは腸への刺激になることもあるため、なるべくプレーンタイプを選ぶ

自分に合うものを見つける、という姿勢で試してみることをおすすめします。


発酵食品全般についても同じことが言えます

納豆・味噌・漬物・キムチなど、日本には昔から発酵食品が豊富にあります。

これらも、ヨーグルトと同様に腸内環境をサポートする補助的な役割として有効です。
特定の食品に偏るより、いろいろな発酵食品を少しずつ取り入れることが、腸内細菌の多様性を保つ近道です。

また、味噌や漬物は塩分が高いものも多いため、摂りすぎには注意が必要です。


腸活は「組み合わせ」で考える

このシリーズを通じてお伝えしたいのは、腸活に「これだけやれば大丈夫」という魔法はない、ということです。

食物繊維・発酵食品・排便習慣・生活リズム——これらが組み合わさって、はじめて腸は本来の力を発揮します。

ヨーグルトは、その組み合わせの中の頼れる一員です。
過信しすぎず、でも上手に活用してほしいと思っています。


お腹の不調が続く方へ

腸活を続けていても、

  • 便秘や下痢がなかなか改善しない
  • お腹の張りや痛みが続く
  • 便に血が混じる

腸活を続けても改善しない症状は、腸や肛門に原因が隠れているサインかもしれません。一度、内視鏡検査で腸の状態をしっかり確認してみませんか。当院では、患者さんの希望や体の状態に合わせて、うとうとする程度の軽い鎮静から眠っている間に終わる深い鎮静まで、鎮静の程度を柔軟に調整しながら内視鏡検査を行っています。「意識は残したい」という方も、「できれば何も感じたくない」という方も、どちらにも対応できます。胃カメラ・大腸カメラともに土曜日対応可能です。気になる症状がある方は、まずはご相談ください。