― 肛門を診療する医師が考える、便秘診療の本当の問題 ―
「便秘くらいなら、近くのクリニックでいいか」
そう思って受診される方は多いと思います。
確かに便秘は、内科でも外科でも、どの診療科でも処方できる病気です。
でもだからこそ、便秘には専門家がいないという現実があります。
便秘薬を出すだけでは、解決しないことがある
便秘の治療として、まず思い浮かぶのは「便秘薬を処方する」ことかもしれません。
実際、多くの医療機関で酸化マグネシウムや刺激性下剤などが処方されています。
ただし、便秘薬にも種類があり、
- 患者さんの便秘のタイプ
- 年齢や腎機能などの体の状態
- 長期使用による依存性・耐性
といった点を考慮せずに処方が続くと、薬が効きにくくなったり、逆に腸の動きが乱れてしまうことがあります。
「ずっと薬を飲んでいるのに、なかなかスッキリしない」
「薬の量が増えていくばかり」
そのような方は、一度立ち止まって考えてみてください。
便秘が「詰まった」状態になったとき、あなたは診てもらえますか?
便秘薬を飲み続けていても、腸や直腸に便が大量に詰まってしまうことがあります。
このような状態を糞便栓塞(ふんべんせんそく)といい、薬だけでは対処できず、医師による直接的な処置(摘便)が必要になることがあります。
「ずっと同じ薬を飲んでいるのに、なんとなくすっきりしない」「お腹が張った感じが続いている」——そのような方は、もしかするとこうした状態に近づいているかもしれません。
そのときになって、
「うちでは対応できないので、別の病院に行ってください」
と言われたら、どう感じるでしょうか。
ずっと通っていたクリニックで薬をもらい続けていたのに、いざというときに「専門外」として他院を紹介される——。それは、患者さんにとって決して安心できる状況ではないはずです。
便秘の治療は、薬をもらうだけで終わりではありません。
何か起きたときに、同じ場所できちんと診て対処してもらえるかどうか——それが、本当の意味での安心につながります。
便秘と肛門疾患は、切り離せない
肛門科の立場からお伝えすると、便秘と肛門疾患は非常に密接な関係にあります。
- 便が硬い・いきみが強い → 痔核(いぼ痔)・裂肛(切れ痔)の悪化
- 便が長期間腸にとどまる → 肛門や直腸への負担が増す
- 便秘薬で下痢傾向になる → 肛門粘膜が荒れやすくなる
逆もあります。
痔の痛みが怖くてトイレを我慢する → 便秘が悪化する、という悪循環も非常によく見られます。
つまり、便秘を治すことと、肛門を治すことは、本来セットで考えるべきものなのです。
当院が便秘の診療にこだわる理由
当院は肛門疾患・胃腸疾患を専門とするクリニックです。
内視鏡検査による腸の状態の評価、排便習慣の見直し、そして肛門への影響まで含めた診療を、一貫して行っています。
便秘の背景には、
- 大腸の動きの問題(弛緩性・痙攣性など)
- 腸の出口付近の問題(直腸・肛門の機能)
- 食習慣・生活習慣
- 薬の影響
など、さまざまな要因が絡んでいます。
「便秘薬を出して終わり」ではなく、なぜ便秘になっているのかを考えることが、当院の診療の出発点です。
こんな方は、一度ご相談ください
- 便秘薬を長期間飲み続けているが、あまり効かなくなってきた
- 薬の量が増えてきた
- 便秘と下痢を繰り返している
- いぼ痔・切れ痔があり、排便のたびに痛みや出血がある
- 便が出にくく、強くいきまないと出ない
便秘は「仕方ない」ものではありません。
正しく診断・治療すれば、改善できる症状です。
お腹やおしりの症状でお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

079-237-0301

